CONTACT
  1. Home
  2. /
  3. BLOG & NEWS
  4. /
  5. 貿易
  6. /
  7. 知っておきたい貿易実務

知っておきたい貿易実務

2024.06.14
貿易

貿易に関わる一部のキーワードを上げただけでも数限りなくあり、そしてその全てにおいて貿易取引上、とても重要であり、抑えるべきポイントがあります。
ここではいくつかのキーワードに絞って解説させて頂きます。

1. 税関の役割

日本では9税関が設置されており、主に3つの役割を果たしています。

  • 薬物や、銃器等の安全、安心を脅かす物品等の密輸出入の取り締まり。
  • 税関で徴収する輸入関税・輸入消費税は日本国税収入の約1割(約5兆円)に相当し、その適正徴収を確保している。※加算税(税関事後調査の修正申告)の場合は10~15%、重加算税(隠ぺい又は仮装による誤申告等)の場合は35~40%加算され納税しなければなりません。
  • 適正な通関を確保しつつ、利用者の利便性の向上に努めている。具体的にはHSコード及び輸入関税率の確認、また事前教示制度を受け付けている。

税関所在案内

税関管轄一覧(税関オフィシャルサイト)

2. 輸入関税

「関税」とは一言で言うと輸入品に課せられる税金のことです。
これは、自国の税収を上げるためでもありますが、最も大きな目的は自国の産業保護や市場経済の混乱の防止と言えます。
外国からの安価な製品に税金を掛けずに輸入してしまうと、自国の産業が衰退することにもなりかねません。

輸入関税は基本的にCIF価格に課税され、つまり、商品代金+輸送費+保険料を足した金額に掛けられます。

例えばCIF価格USD10,000で関税率が5.0%、為替レートが1ドル160円だった場合、
輸入関税はUSD10,000×160円×0.05=¥80,000となります。

また、輸入消費税は消費税と地方消費税に分けられます。

消費税は【(CIF価格+輸入関税+その他国内税額)×消費税率】で計算されます。
(USD10,000×160円+¥80,000)×7.8%(消費税率)=¥131,000(百円未満切捨て)

地方消費税は【消費税額×22÷78】で計算されます。
¥131,000×22÷78=¥36,900(百円未満切捨て)

輸入消費税は¥131,000+¥36,900=¥167,900
※通関上、消費税と地方消費税は分けて計算されますが、合計でおおよそ10%になります。

3. HSコード

「HSコード」とは世界的に使用されている国際貿易商品の分類コードのことで、通常は6桁の世界共通コードと3桁の各国コードで構成されています。
基本的には、商品の形状、材質、用途によって分類され、このコードを基に関税率を調べる事が出来ます。
またこのHSコードは担当の通関士が決めるので、通関士によって見解が変わる可能性もあるので注意が必要です。

4. 貨物海上保険

貨物の輸送中に起こり得る事故危険による損害発生に備え、通常は貨物保険を手配します。
貨物保険は一般に、貨物が輸出者の倉庫から最初に動かされた時から、仕向地の買い手の倉庫において、荷卸しが完了した時までの全輸送期間をカバーします。
ただし、本船から荷卸し後60日が経過した場合(航空貨物は30日)は保険の適用はされないので注意が必要です。
具体的な手続きとしては、もし輸入してきた商品に傷等が発見された場合は、すぐに写真を撮り、保険会社へ連絡を入れます。

5. 共同海損

「共同海損」とは、船舶が事故に遭遇した際に発生する共同の危険を回避する目的で、故意かつ合理的に支出した費用または犠牲となった損害につき、船体・積荷・燃料および運賃などのうち、無事に残った部分を利害関係者間で按分し、損害を公平に分担するという制度です。
例えば、船舶が座礁した場合に、1船舶を浮かせるために貨物の一部を廃棄する。2船舶を救助するなどの費用・損害が発生します。
この様に、船舶と貨物が共同の危険から免れるために発生した費用・損害は、船舶・貨物の所有者が共同して分担することになっています。
貨物海上保険は、これらの危険による損害から荷主を保護する役割も果たしています。

6. 帳簿書類の保存と事後調査

「事後調査」とは、輸出者または輸入者の事業所等を税関職員が個別に訪問して、関係する帳簿や書類等の確認を行う調査のことをいいます。
輸入(納税)申告が適正に行われているか、また輸出された貨物に掛かる手続きが関税法等に従って、正しく行われているか等を確認し、不適正な申告はこれを是正すると共に適切な申告指導を行うものです。
輸出者または輸入者は、輸出入した貨物に関する品名、数量及び価格等を記載した帳簿を備え付け、帳簿及び関係書類の保存が義務付けられており、各書類の保存期間は下記の通りです。

【輸出】
帳簿-保存期間 5年間
書類-保存期間 5年間

【輸入】
帳簿-保存期間 7年間
書類-保存期間 5年間

Archives

Categories

Relate Posts

蓄積したノウハウを発揮し、クライアントのビジネスを強力に推進します。

ADVANCE x SUPPORT x JAPAN

日本発の国際物流企業として、
日本「誇り」「文化」「真心」を伝え、世界を繋ぎます!

株式会社アドバンスサポート・ジャパン
Advance Support Japan Inc.
〒113-0034 東京都文京区湯島3-13-8湯島不二ビル7F
https://www.a-s-j.jp
03-6284-3005
ADVANCE SUPPORT JAPAN INC. 2023 ALL RIGHTS RESERVED