ドレージ輸送の危機|燃料高騰で「運べない」が現実に
はじめに
近年、国際物流における最大のリスクは「コスト」ではなく、「そもそも運べるかどうか」へと変化しています。
その象徴が港湾輸送、いわゆるドレージ輸送の現場です。
現場では今、燃料高騰を起点に深刻な構造問題が顕在化しています。
燃料高騰が直撃する運送会社
従来、運送会社はインタンク(自社給油設備)で比較的安価に軽油を調達していました。
しかし現在は供給の不安定化により、
- 店頭での現金給油への切り替え
- 1リットルあたり20〜30円以上のコスト増
といった事態が発生しています。
特に10台以下の中小事業者(業界の約半数)では、月数百万円〜1,000万円規模の燃料費増加となり、経営を直撃しています。
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価格転嫁できない構造
問題はコスト増そのものではありません、値上げできないことが本質的な課題です。
ドレージ業界では、
- 営業担当がいない
- 社長や配車担当が兼務
- 交渉や資料作成のリソース不足
といった背景から、価格転嫁が進んでいません。
結果として、「運べば運ぶほど赤字」という状況に陥る企業も出ています。
すでに起きている“運べない”現象
この影響は、すでに実体経済にも表れています。
- 港で野菜が滞留し腐敗
- トイレットペーパーや米の補充遅れ
これらは単なる需給の問題ではなく、輸送能力そのものの不足が原因です。
まとめ
ドレージ輸送の現場では、
- 燃料高騰
- 価格転嫁の遅れ
- 中小事業者の資金繰り悪化
が重なり、物流機能そのものが揺らいでいます。
今後は「価格」ではなく、輸送能力の確保そのものが競争力になる時代に入っていると言えるでしょう。
