中国よりぬいぐるみ用の生地の輸入を御紹介します。
1、輸送方法の確認
先ず、輸送方法の選定が必要となります。
国際輸送には、船便、航空便、国際宅配便が一般的に使用され、輸送コストや緊急度等によって、最適な輸送方法を選定いたします。
先ず最初の2回は少量かつ急ぎだった為、国際宅配便で輸入することになりました。
【ワンポイント解説】
ここで、国際宅配便の運賃の計算方法について、細かく解説させて頂きます。
1、国際宅配便の場合は、実重量と容積重量を比較し、重い方が適用されます。
2、容積重量の計算方法ですが、1m3=200kgで換算されます。例えば0.5m3であれば容積重量は100kg、2.0m3であれば400kgと計算されます。
続いて、重量比較の考え方ですが、発送する貨物の総容積が1.0m3(=200kg)の場合、実重量がもし180kgの場合は200kgが適用され、実重量が250kgであれば、250kgが適用されます。
3、貨物合計の実重量及び容積重量で計算されますので、1箱であっても、複数箱であっても、箱数は直接運賃には関わってきませんが、複数個の場合には輸送途中で貨物紛失というリスクもありますので、なるべく一纏めにした方が良いという考え方もあります。
運賃単価は、1度に発送する貨物の重量のよって変わって参ります。当然ではありますが、ボリュームが大きい方が運賃単価自体は下がって参ります。
(1回目の輸入は容積重量計算で82kg、2回目の輸入は容積重量計算で185kgという結果でした。弊社からは、1回目の82kgは一般運賃の40%、2回目の185kgは一般運賃の35%をご提供させて頂きました。)
2、輸入関税の確認
今回の輸入商品ですが、素材はポリエステル100%のぬいぐるみ用の生地で、輸入関税率は7.90%でした。
クライアントの意向を受け、予め税関へ問い合わせを掛け、HSコード及び輸入関税率を確認致しました。
HSコードは世界的に使われている国際貿易商品の分類コードで、6桁の世界共通コードと、3桁の各国コードで構成されています。
基本的には、商品の形状、材質、用途によって分類され、このコードを基に、関税率を事前に調べることが出来ます。
今回のケースは、輸入関税は、商品代+輸送費の上から7.90%掛かり、輸入消費税は、商品代+輸送費+輸入関税の上から10.00%掛かることになります。
輸入関税はコストになりますので、予め確認した方が良いでしょう。
3、輸出梱包
仕入先にあたる中国工場とは初めての取り引きとのことでしたので、商品発送前にどの様な梱包形態で発送されるか写真をもらいながら輸入を進めました。
国際輸送では国内輸送と比較し、輸送距離や輸送時間が長い為、輸送途上の商品ダメージのリスクが高くなります。
ダンボールの強度(通常はダブルカートン)や梱包状況を確認しながら進めることをお勧めいたします。
梱包方法についてこちらのBLOG「国際物流の進め方」も合わせてご参考ください。
補足:輸送中に商品に傷が付いた場合、貨物保険を付保していても、「国際輸送に耐えうる梱包」だと保険会社に判断されなかった場合は、保険金が支払われないので充分に注意が必要です。
4、まとめ
これから3回目の輸入に入りますが、ボリュームが前回の数倍になるそうです。
想定容積と想定重量をお聞きし、船便の方が輸送費を抑えられそうですが、船便の場合はDoor to doorで3~4週間程度。
納期優先ということもあり、最終的には必要数を前回と同様に国際宅配便で、残りは少し時間を掛け船便で進めることになりました。
国際輸送は、輸送コストや輸送期間など、あらゆる状況を判断しながら進めていく必要があります。