■ EC物流とは?仕組みや特徴、課題をわかりやすく解説
目次
ECサイトで商品を販売する場合、商品を販売するだけではなく、注文を受けてから消費者のもとへ届けるまでに、さまざまな物流業務が発生します。
商品の入荷・検品から、倉庫での保管、在庫管理、ピッキング、流通加工、梱包、出荷、配送まで、EC事業を支えるためには適切な物流体制が欠かせません。
特にEC物流では、一般的な企業間物流とは異なり、少量の商品を多数の配送先へ出荷することが多いことや、セールなどによって出荷量が大きく変動することが特徴です。
この記事では、EC物流の基本的な仕組みや特徴、よくある課題についてわかりやすく解説します。
■ EC物流とは?
EC物流とは、ECサイトで販売する商品を、入荷・保管し、注文に応じてピッキングや梱包、出荷を行い、購入者へ届けるまでの物流業務を指します。
EC物流では、単に商品を倉庫に保管するだけではありません。
主な業務には、以下のようなものがあります。
- 商品の入荷・検品
- 倉庫での保管
- 在庫管理
- 受注処理
- ピッキング
- 仕分け
- 流通加工
- 梱包
- 出荷
- 配送
- 返品対応
EC事業者がこれらの業務をすべて自社で行うこともできますが、商品数や注文数が増えると、物流業務の負担も大きくなります。
そのため、物流倉庫などに業務を委託するEC事業者も多くあります。
■ EC物流の特徴
EC物流には、一般的な企業間物流とは異なる特徴があります。
代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。
- 少量の商品を多数の配送先へ出荷する
- 出荷量の変動が大きい
- 顧客ごとの細かな対応が必要
少量の商品を多数の配送先へ出荷する
EC物流では、個人のお客様から1件ずつ注文を受けて商品を発送するケースが多くあります。
そのため、企業間物流のように「1か所へ大量の商品を配送する」のではなく、1件あたりの出荷量は少なくても、多くの配送先へ商品を出荷するという特徴があります。
注文ごとに商品の内容や配送先が異なるため、正確なピッキングや梱包、出荷管理が必要になります。
出荷量の変動が大きい
EC物流では、通常時と繁忙期で出荷量が大きく変わることがあります。
例えば、
- ECサイトのセール
- キャンペーン
- 季節イベント
- 母の日・父の日
- クリスマス
- 年末年始
などです。
こうした時期には通常より注文が増えるため、倉庫内の作業量も大幅に増加します。
そのためEC物流では、繁忙期の出荷量にも対応できる人員・設備・作業体制を整えておくことが重要です。
顧客ごとの細かな対応が必要
EC物流では、商品をただ梱包して出荷するだけではなく、購入者のニーズに合わせた対応が求められることがあります。
例えば、
- ギフトラッピング
- のし対応
- メッセージカードの同梱
- チラシ・販促物の同梱
- 商品へのラベル貼付
- 複数商品のセット組み
- 注文内容に応じた梱包方法の変更
などです。
こうした作業は「流通加工」と呼ばれることがあり、物流倉庫によって対応できる内容が異なります。
そのため、EC物流を外部へ委託する場合には、自社で必要としている作業に対応できるかを事前に確認することが大切です。
■ EC物流の入荷から出荷までの流れ
EC物流では、商品が倉庫に入荷してから購入者へ発送されるまで、さまざまな工程があります。
基本的な流れは以下のとおりです。
入荷・検品 → 保管・在庫管理 → 受注 → ピッキング → 流通加工 → 梱包 → 出荷 → 配送
それぞれの工程について解説します。
入荷・検品
まず、仕入先などから商品を倉庫へ入荷します。
入荷した商品について、数量や商品内容、破損・汚損などを確認する作業が検品です。
入荷時に正確な検品を行うことで、数量違いや不良品の出荷などのトラブルを防ぎやすくなります。
保管・在庫管理
検品が完了した商品は、倉庫内の適切な場所へ保管します。
商品によっては、温度や湿度などの管理が必要になる場合もあります。
また、EC物流では注文を受けた商品をすぐに出荷できるよう、現在どの商品がどれだけ在庫として残っているのかを正確に把握することが重要です。
在庫数と実際の在庫が合わないと、注文を受けたにもかかわらず商品が出荷できないといったトラブルにつながります。
そのため、バーコードやWMS(倉庫管理システム)などを活用して在庫を管理するケースもあります。
受注
ECサイトで注文が入ると、注文内容を確認し、出荷に必要な情報を倉庫側へ連携します。
注文内容には、商品、数量、配送先、配送方法などの情報が含まれます。
ECサイトと倉庫の管理システムを連携することで、受注から出荷までの作業を効率化できる場合があります。
ECサイトで注文を受けた後、その注文情報を倉庫側の受発注管理システムやWMS(倉庫管理システム)へ連携することで、受注から出荷までの業務を効率化できます。
例えば、ECサイトで注文が入ると、商品名や数量、配送先、配送方法などの注文情報を管理システムへ取り込みます。
連携された情報をもとに倉庫側で出荷指示を行い、ピッキングや梱包、出荷へと進めます。
また、システムによっては、倉庫側の在庫情報をECサイトへ連携することもできます。倉庫の在庫数をECサイトへ反映することで、在庫状況を管理しやすくなり、在庫差異や欠品による注文トラブルの防止にもつながります。
ECサイトと倉庫の管理システムを連携する方法には、API連携やCSV連携などがあります。
利用しているECサイトや管理システムによって対応できる連携方法が異なるため、導入時には事前に確認しておくことが大切です。
ピッキング
受注内容に応じて、倉庫から商品を取り出す作業がピッキングです。
EC物流では、1件の注文に対して必要な商品を取り出す「シングルピッキング」が行われることがあります。
注文数や商品の種類が増えると、ピッキング作業の負担も大きくなるため、商品の配置や在庫管理方法を工夫することが重要です。
流通加工
ピッキングした商品に対して、必要に応じて流通加工を行います。
例えば、
- ラベル貼付
- セット組み
- 小分け
- ギフトラッピング
- のし対応
- チラシの同梱
などがあります。
EC事業者によって必要な作業は異なるため、物流倉庫へ委託する際には、具体的な作業内容を伝えておきましょう。
梱包・出荷
必要な商品を揃えたら、配送中に商品が破損しないよう梱包を行います。
商品のサイズや形状に合わせてダンボールや緩衝材などを選び、配送先の情報を確認して出荷します。
EC物流では1件ずつ異なる配送先へ発送することが多いため、商品の入れ間違いや配送先間違いを防ぐための正確な作業体制が求められます。
配送・返品対応
梱包・出荷された商品は、宅配便などを利用して購入者へ配送されます。
またEC物流では、商品を発送して終わりではありません。
サイズ違いや購入者都合、商品の不具合などによって返品が発生する場合があります。
そのため、返品商品の受け取り、検品、再出荷、交換など、返品時の対応方法まで事前に決めておくことが重要です。
■ EC物流でよくある課題
EC事業を拡大すると、物流業務も増えていきます。
特に以下のような課題が発生しやすくなります。
物流業務の負担が大きい
注文数が少ないうちは自社で出荷作業を行えていても、注文数が増えると、ピッキングや梱包などの作業に多くの時間が必要になります。
物流業務に人員や時間を取られることで、本来注力したい商品開発や販売促進などの業務に手が回らなくなる可能性もあります。
繁忙期に出荷が追いつかない
セールやキャンペーンなどによって注文が急増すると、通常の人員では対応しきれない場合があります。
出荷遅延や作業ミスを防ぐためにも、繁忙期の物量を想定した物流体制を構築しておくことが重要です。
在庫管理が難しくなる
商品数や注文数が増えるほど、在庫管理も複雑になります。
「システム上は在庫があるのに実際には商品がない」といった在庫差異が発生すると、出荷遅延や注文キャンセルにつながる可能性があります。
そのため、在庫管理の方法やシステムを見直すことも重要です。
物流コストが増加する
EC物流では、保管料だけでなく、入庫、検品、ピッキング、梱包、流通加工、配送など、さまざまな費用が発生します。
注文数が増えると売上が伸びる一方で、物流コストも増加するため、売上だけではなく物流全体のコストを把握することが大切です。
■ EC物流を外部委託するメリット
EC物流の業務量が増えてきた場合、物流倉庫などへ業務を委託する方法があります。
外部委託することで、
- 自社の出荷作業を削減できる
- 倉庫スペースを確保しやすくなる
- 在庫管理を効率化できる
- 繁忙期の出荷に対応しやすくなる
- 流通加工などの業務も任せられる
- 本来の販売業務に集中しやすくなる
といったメリットがあります。
ただし、物流会社によって対応できる業務や料金体系は異なります。
そのため、委託先を選ぶ際には、「保管できるか」だけではなく、「入荷から出荷までどこまで任せられるか」を確認することが重要です。
■ EC物流の委託先を選ぶポイント
EC物流を委託する場合は、以下の点を確認しておきましょう。
対応できる商品・保管環境
常温商品だけでなく、冷蔵・冷凍商品などを取り扱う場合は、必要な温度帯に対応しているか確認しましょう。
必要な物流作業に対応できるか
ピッキングや梱包だけでなく、ラベル貼付、セット組み、ギフト対応など、自社で必要な作業を依頼できるか確認しましょう。
EC物流の実績があるか
EC商品の取り扱い実績があるか、同じような商品を扱った経験があるかも重要な判断材料です。
繁忙期にも対応できるか
通常時だけでなく、セールやキャンペーンなどで出荷量が増えた場合にも対応できるか確認しておきましょう。
コストが適切か
保管料だけで判断せず、入庫・検品・ピッキング・梱包・流通加工・配送などを含めた物流全体のコストで比較することが大切です。
■ まとめ|EC物流は「保管から出荷まで」の仕組みづくりが重要
EC物流とは、商品の入荷・保管から、受注、ピッキング、流通加工、梱包、出荷、配送、返品対応まで、EC事業を支える一連の物流業務です。
EC物流では、少量の商品を多くの配送先へ出荷することや、セールなどによって出荷量が大きく変動することから、効率的で柔軟な物流体制が求められます。
注文数や商品数が増えて自社での対応が難しくなってきた場合には、物流倉庫への委託を検討するのも一つの方法です。
アドバンスサポート・ジャパンでは、商品の保管・入庫・検品・在庫管理・ピッキング・流通加工・梱包・出荷などの倉庫業務から、国内配送まで、EC事業者様の物流に合わせたご提案が可能です。
また、海外から商品を仕入れている場合には、海外輸送・輸入通関から倉庫での保管、検品、流通加工、国内配送までまとめてご相談いただけます。
「ECの出荷作業を外注したい」
「商品が増えて保管場所が足りない」
「物流業務にかかる社内の負担を減らしたい」
「海外から輸入した商品をそのまま倉庫で保管・出荷したい」
といったお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

