■ NVOCCとは?フォワーダーとの違いをわかりやすく解説
目次
海上輸送について調べていると、「NVOCC」という言葉を目にすることがあります。
NVOCCは、国際海上輸送に関係する専門用語ですが、フォワーダーや船会社との違いが分かりにくい言葉の一つです。
今回は、NVOCCの基本的な意味や役割、フォワーダー・船会社との違いについて、初心者向けにわかりやすく解説します。
■ NVOCCとは?
NVOCCとは、Non-Vessel Operating Common Carrierの略称です。
日本語では「非船舶運航海運業者」などと呼ばれます。
名前の通り、自社で船舶を運航せず、船会社のスペースなどを利用して海上輸送サービスを提供する事業者です。
NVOCCは、自社で船を所有・運航する船会社とは異なり、船会社から輸送スペースを確保し、そのスペースを利用して荷主の貨物を輸送します。
特に、LCL(混載貨物)などの海上輸送では、複数の荷主の貨物をまとめて取り扱うことがあります。
■ NVOCCは何をしている?
NVOCCでは、主に以下のような業務が行われます。
① 船会社から輸送スペースを確保する
NVOCCは船会社と契約し、一定の輸送スペースを確保します。
そのスペースを利用して、荷主の貨物を輸送します。
② 複数の荷主の貨物を取り扱う
LCLでは、一つのコンテナを複数の荷主で利用します。
例えば、
- A社の貨物
- B社の貨物
- C社の貨物
を一つのコンテナにまとめて輸送することがあります。
このような混載輸送の仕組みにNVOCCが関わることがあります。
③ 自社のB/Lを発行する
NVOCCは、荷主に対して自社のB/Lを発行する場合があります。
一方で、実際に船舶を運航する船会社からは、NVOCC側に対して別のB/Lが発行されます。
このように、NVOCCを利用する海上輸送では、荷主と船会社の間にNVOCCが入る形になることがあります。
④ 貨物を目的地まで輸送する
NVOCCは、船会社との契約だけでなく、現地代理店や倉庫などとも連携しながら、貨物を目的地まで輸送します。
そのため、単に船のスペースを確保するだけでなく、海上輸送に必要な物流サービスを提供します。
■ NVOCCと船会社の違い
NVOCCと船会社の大きな違いは、自社で船舶を運航しているかどうかです。
船会社
自社で船舶を運航し、海上輸送サービスを提供します。
代表的な船会社には、世界各地を結ぶコンテナ船を運航する会社があります。
NVOCC
自社で船舶を運航せず、船会社から輸送スペースを確保して海上輸送サービスを提供します。
簡単にまとめると、
船会社=船を運航する
NVOCC=船会社の輸送スペースを利用して海上輸送を提供する
という違いがあります。
■ NVOCCとフォワーダーの違い
ここが特に分かりにくいポイントです。
フォワーダーは、荷主から依頼を受けて、国際輸送を手配・調整する物流会社です。
一方、NVOCCは、海上輸送において、自ら運送人として荷主に対して輸送サービスを提供する立場を取ることがあります。
そのため、両者は完全に別の存在というより、実務上はフォワーダーがNVOCCとして海上輸送サービスを提供するケースもあります。
つまり、
フォワーダー=国際物流の手配・調整を行う事業者
NVOCC=船を運航せず、海上輸送の運送サービスを提供する事業者
という整理をすると分かりやすいでしょう。
■ NVOCCとLCL輸送の関係
NVOCCは、特にLCL輸送と関係が深いケースがあります。
LCLとは、Less than Container Loadの略で、一つのコンテナを複数の荷主で利用する輸送方法です。
例えば、
荷主A+荷主B+荷主C
↓
1本のコンテナ
↓
海外へ輸送
という形です。
コンテナ1本分に満たない貨物でも海上輸送を利用できるため、小口貨物の輸送に適しています。
NVOCCなどが複数の貨物をまとめてコンテナ輸送することで、LCLのサービスが提供されています。
■ NVOCCを利用するメリット
① 小口貨物でも海上輸送を利用しやすい
コンテナ1本を自社だけで使用する必要がないため、貨物量が少ない場合でも海上輸送を利用できます。
② 海上輸送の手配をまとめやすい
船会社との直接契約や予約などを自社で行うより、専門事業者へ依頼することで手配の負担を減らせる場合があります。
③ 複数の物流会社との調整を任せられる
NVOCCやフォワーダーによっては、海外代理店や倉庫、国内配送会社などと連携して輸送を進めます。
■ NVOCCを利用するときの注意点
① LCLでは貨物の積み替えが発生する場合がある
LCLでは、複数の荷主の貨物をまとめてコンテナに積み込むため、貨物の集約・仕分けなどの工程が発生します。
そのため、FCLと比べて輸送工程が複雑になる場合があります。
② 料金の内訳を確認する
海上運賃だけでなく、
- CFS関連費用
- 通関費用
- 港湾関連費用
- 国内配送費
- その他の現地費用
などが発生する場合があります。
見積りを比較する際は、海上運賃だけでなく、最終的な納品までに必要な費用を確認することが重要です。
③ 貨物の納期を確認する
LCLでは貨物の集約や仕分けなどの工程があるため、FCLと同じ感覚でスケジュールを考えないことが重要です。
希望納期がある場合は、余裕を持って輸送スケジュールを確認しましょう。
■ NVOCCを利用するのはどんなケース?
NVOCCなどの海上輸送サービスは、例えば以下のようなケースで利用されます。
- コンテナ1本分に満たない貨物を輸送したい
- LCLで海外から商品を輸入したい
- 海上輸送の手配を専門会社へ依頼したい
- 海外の複数の貨物をまとめて輸送したい
- 海上輸送から通関・国内配送まで相談したい
ただし、実際の対応範囲は事業者によって異なるため、依頼前に確認することが大切です。
■ まとめ|NVOCCは船を運航せずに海上輸送サービスを提供する事業者
NVOCCは、自社で船舶を運航せず、船会社の輸送スペースなどを利用して海上輸送サービスを提供する事業者です。
特にLCLなどの混載輸送では、NVOCCが重要な役割を担うことがあります。
フォワーダーとNVOCCは役割が完全に同じではありませんが、実務上はフォワーダーがNVOCCとして海上輸送サービスを提供するケースもあります。
海上輸送を依頼する際は、「NVOCCかどうか」だけを見るのではなく、どこまでの輸送・通関・倉庫・国内配送に対応できるのかを確認することが重要です。
アドバンスサポート・ジャパンでは、海上輸送・航空輸送をはじめ、輸出入通関、倉庫での保管・検品・流通加工、国内配送まで、お客様の貨物に合わせた国際物流をサポートしています。
FCL・LCLの選定や輸送方法についても、貨物のサイズ・重量・数量・納期などを確認したうえでご提案いたします。
